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連合農学研究科生物資源科学専攻2年の鶴巻啓一さんが、第23回国際トウガラシ会議において最優秀ポスター賞受賞!

2016年8月10日

2016年6月15日~17日にペルー・トルヒーヨ市で行われた第23回国際トウガラシ会議(23rd International Pepper Conference)で、鶴巻啓一さん(岩手連大農学研究科博士課程2年)を発表者とする笹沼恒男研究室(植物遺伝・育種学)の研究発表「トウガラシ白色果実品種“チェイロ・ホワイト”の生化学的及び分子遺伝学的解析」が最優秀ポスター賞を受賞しました。この学会は、2年に一度開催され、大学の研究者の他、農業研究機関、民間の種苗会社、食品加工会社など幅広い分野のトウガラシ関係者が参加する国際学会です。今回は、トウガラシ原産地の南米での開催ということで、ペルー、ブラジル、アメリカ、メキシコなど南北アメリカ大陸を中心に計11カ国から340名が参加し、28題のポスター発表の中から最優秀ポスター賞として1題のみ、私たちの研究発表が選ばれました。開会式ではペルーの農業大臣が挨拶し、TV中継もあり、大変立派な国際学会でした。

鶴巻さんの研究内容は、以下の通りです。チェイロ・ホワイトという白色果実をもつ珍しいトウガラシ品種を対象とし、カロテノイドの生合成に関わる遺伝子のDNA配列を解読したところ、この品種は、Psy遺伝子とCcs遺伝子という2つの遺伝子にそれぞれ突然変異が生じ機能が失われている二重突然変異体であることがわかりました。これまで、どちらか一方の遺伝子に突然変異が生じオレンジ色や黄色になっているという研究報告はありましたが、2つの遺伝子が同時に突然変異しているというのは世界で初めての報告でした。古くから研究されていたトウガラシ果実色変異の遺伝機構を遺伝子レベルで明らかにしたという点で学術的に高い評価を受けた他、商業的に重要なトウガラシ、パプリカの果実色育種に応用できる可能性も評価されました。パプリカは山形県内でも生産されており、特に庄内地方の遊佐町は町の特産品としてパプリカを売り出しています。今回の研究を応用し、いずれは7色どころか24色入りのパステルのような様々な色合いのトウガラシ・パプリカ品種を作出してみたいと思っています。